第14回学術集会

日本子ども虐待防止学会
第14回学術集会

ひろしま大会宣言

日本子ども虐待防止学会会員並びに同第14回学術集会ひろしま大会の参加者は、すべての子どもが、人として貴ばれ、社会の一員として重んぜられ、よりよい環境の中で育てられるために、以下のことを決議し、宣言します。

  1. 一 すべての子どもの、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利が保障される社会の実現を目指します。
  2. 二 虐待を受ける子どもが一人も存在しなくなるように、最大限の努力をします。そのために、子育てを妨げるすべての差別・搾取・虐待・貧困がなくなるよう、明確な意志をもって行動します。
  3. 三 子どもの虐待の予防のために、関係諸機関の連携を強め、地域の協力を得て、子育てに困難を感じている親・家族に早期対応し、社会から孤立しないように支援します。
  4. 四 現在すでに虐待を受けている子ども、虐待を加えている保護者の早期発見、早期対応に努力します。虐待を受けた子ども、虐待を加えた保護者に対する支援、ケアに最大限の力を注ぎます。
  5. 五 子どもを取り巻く環境、特に経済的困難などを含む親の子育て環境の整備を求めます。安全で安心して子育てができる社会を実現するために、雇用主側の企業努力を求めるとともに、産前産後休業、育児休業などの法律の充実、保育所の整備などの行政による子育て支援施策の充実を求めます。さらに、社会保障制度、労働政策など、国民の生活全般の安定と、子育ての困難や不安を取り除く方策の整備を強く求めます。
  6. 六 上記の実現のために,最低限必要なものとして「児童福祉法」「児童虐待防止法」をはじめ、「DV防止法」などの関係法令の適正化を求め、児童相談所や子育て支援に関わる関係諸機関への人員の適切な配置、及び社会的養護を必要とする子どもへの一層の対応の強化を求めます。

平成20年12月13日

日本子ども虐待防止学会
第14回学術集会ひろしま大会
実行委員長 田中 義人
日本子ども虐待防止学会
会長 小林 美智子